科学部
【科学部】テントを張って化学実験をしました(特別講義)
3月29日(火)に、「世界をリードする科学技術人材育成事業」の活動として、米子工業高等専門学校 総合工学科 化学・バイオ部門 准教授の谷藤尚貴先生にお越しいただき、光化学に関する特別講義をしていただきました。
今回の実習のテーマは、「アウトドアで実験しよう!」でした。
いつも活動している化学実験室を飛び出し、谷藤先生の指導のもと、部員らはおもむろにテントを設営し始めます。(初めてテント張りをしたという部員が多くいました!)
アウトドアでの実験なので、試薬の調製にはビーカーやガラス棒などのガラス器具を使わずに、プラカップ、割り箸、空のペットボトルで汲んできた精製水を使います。
テントの中を暗くして、ラミネートシートにレーザーポインターを当てて色の変化を観察しました。
使用したシートは蛍光、リン光という光が放たれる素材のものでした。リン光は蓄光性を持つので、レーザーポインターを動かすと光の跡が一時的に残ります。
テントの中で各自黙々とリン光を楽しんだ後は、市販で販売されている忍者絵の具という色素を使ってスライムを作りました。
忍者絵の具には、光を吸収することで色が変わる特別な物質(光応答性分子)が含まれているため、最初は真っ白だったスライムも、捏ねているうちに日光に当たり、だんだん赤く変色していきました。
また、レーザーポインターで集中的に光照射すると、照射部分がより赤くなります。
なお、光応答性分子を溶液に溶かしただけでも、同じように光を吸収した部分だけ変色します。
最後は、物質に磁力があることを簡単に確認できる超常磁性を持つ物質(磁性液体)を使って、物質の磁力線を観察しました。
磁石を近づけると、超常磁性物質がトゲトゲした形に姿を変え、磁力線が現れます。
近づける磁石の磁力によってトゲトゲ具合が変化する様子も観察できました。
生き物のように変形する超常磁性物質に、部員らは夢中になっていました。
谷藤先生は、講義中に何度も「視点を変えてみることで、新しいアイデアが生まれる」とお話しされていました。
今回、外で実験をしてみて、不便だなと感じたところや、新しく見えた景色があったのではないかなと思います。
ぜひ今回感じた「不都合な点・改善したい点」を研究テーマの材料としてもらえればと思います。
新鮮で楽しい経験をすることができました。今回学んだことや感じたことを、今後の研究活動に活かしていきたいと思います。
この場をお借りして、谷藤先生に深く感謝申し上げます。ありがとうございました。
楽しい時間もあっという間に過ぎ、部員らは少し名残惜しそうでしたが、しっかり片付けて撤収しました。