科学部 活動報告

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【科学部】錬金術師の夢を見つめ直す(特別講義)

3月28日(月)に、大妻嵐山中学校・高等学校の鈴木崇広先生にお越しいただき、黄銅めっきに関する特別講義をしていただきました。

 

黄銅めっきは、銅板に亜鉛をめっきし、亜鉛めっきされた銅板を加熱することで得られます。

黄銅とは銅と亜鉛の合金のことで、英語でbrass(ブラス)といいます。「ブラスバンド」と聞くと皆さんは金管楽器をイメージされると思いますが、これは多くの金管楽器が黄銅で作られていることが語源とされています。

 

一般的には、水酸化ナトリウムと亜鉛粉末を用いてめっきされますが、今回は鈴木先生が推奨する方法で黄銅めっきを行いました。

※今回の鈴木先生の推奨する方法は、鈴木先生と大妻嵐山高校の生徒が発見した「安全性、均一性を兼ね備えた素晴らしいめっき方法」であり、この研究成果は第65回日本学生科学賞で文部科学大臣賞(全国2位相当)を受賞されました! 

 

 

めっき後は、そもそも本当に黄銅が出来上がっているのか?、見た目の判断ではなく、具体的にどのような実験を行うことで、黄銅であることが証明できるのかという問いかけに対して、部員らは自ら実験方法を提案し、黄銅であることを証明する実験に取り組みました。

あるグループでは炎色反応を確認したり、黄銅めっき板を電極版として使用し電池を作成してみたり…など、アイデアの思いつくままにたくさんの検証実験に取り組んでいました。

※炎色反応とは、金属元素を燃やした際に確認できる炎の色のことで、物質ごとに炎の色は異なります。花火ではカラフルな炎が見られますが、あれは火薬の中に複数の金属化合物が調合されているからです。なお、銅の炎色反応は青緑色です。

 

1・2年生ともに、化学基礎・化学で学んだ知識をフル活用して斬新で柔軟な検証実験に取り組んでおり、鈴木先生もその発想力に感心してくださりました。

 

以下に、今回の特別講義を受けた部員の感想を一部掲載します。

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・いつもの授業や部活動とは違い、目的の結果を出すために自分で操作を考え、さらにそれを実践することが初めてでとても面白く感じました。求めていた結果が出ないことの方が多かったけれど、とても楽しい体験をすることができました。

・日本学生科学賞に出展した研究と聞いて難しいものかと思ったけど、めっきにアルミ箔を使った理由などを原理から理解することができました。色々なところで行われている実験の欠点を改良するというのはあまり気が付けないことだと思います。また、黄銅めっきであることの判断方法として電気を使うというのは自分にとって新しい知識だったので、今後の研究にも活用していきたいです。

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 最後に、この場をお借りして、今回ご講義していただきました鈴木先生に感謝申し上げます。

文部科学大臣賞受賞おめでとうございました。5月に行われる国際大会でのご活躍を心より応援申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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