科学部 活動報告

2023年6月の記事一覧

科学部の実験紹介2

今回は、硝酸カリウムの再結晶について紹介します。ビーカーに硝酸カリウムと、少量の硫酸銅(Ⅱ)を熱水に溶かしました。そして、これを空気中で放冷したところ、硝酸カリウムの針状結晶が析出しました。このように、少量の不純物を含んだ結晶を、高温の溶媒に溶かしてから冷却し、温度による溶解度の違いを利用して、純度の高い結晶を得る操作を再結晶と言います。動画は32倍速です。

科学部の実験紹介1

今回は、酸化還元反応について紹介します。酸化や還元というと、酸素の授受による反応という印象が強いと思います。しかし、実は電子の授受が行われる反応も酸化還元反応に含まれます。例として、二クロム酸カリウムK2Cr2O7と過酸化水素H2O2の反応を撮影しました。

酸化剤(電子を受け取る物質)である二クロム酸イオンは式1、還元剤(電子を与える物質)である過酸化水素は、式2のような反応を起こします。

Cr2O72-+14H++6e-→2Cr3++7H2O (式1) 

H2O2→O2+2H++2e- (式2)

式中のe-は電子を表しており、二つの式を合わせると、式3のようなイオン反応式になります。

3H2O2+Cr2O72-+8H+→2Cr3++3O2+7H2 O (式3)

式1より、この反応ではクロム酸イオンが発生します。このイオンは緑色なので、溶液が緑色に変化していく様子が観察できます。また式2より、反応によって酸素も発生します。そのため、動画でも気体が発生しているのがわかります。高校化学では、このような電子の授受による酸化還元反応を扱います。